巨額の資金を流出させた会社社長(インド占星術)

世間をにぎわせている巨額資金流出事件を起こしたC社の社長である。

出生時間不明ではあるが、月は魚座から動くことはない。したがって、チャンドラ・ラグナで分析できる。

(月から)5室にコンピュータを表すケートゥがあり、高揚する木星が同居する。5室はクリエイティビティの部屋であり、ここにこのコンビネーションがあることが彼に高度なプログラミング能力を与えたのだろう。 月と木星は星座交換し、高い創造力と知性をうかがわせる。木星は10室支配星であり、彼の才能は職業と直結する。

仮想通貨による所得を表すのは8室である。特に天秤座は「市場」を示し、8室天秤座はまさに仮想通貨の取引所を連想させる。ここに太陽・金星・水星の惑星集中である。金星はムーラトリコーナで、減衰する太陽と非常にタイトにコンジャンクションする。この減衰は、6室支配星が減衰であるためパラーシャラの例外則適用、バンガもされていて、市場での成功をもたらした。

10室射手座の土星は11-12室支配で機能的凶星。「転落」を表すとされる射手座(10室)に獲得(11)と損失(12)のハウスを支配する土星が存在すれば、それはとりもなおさず、仕事における獲得と損失を示す。11室山羊座のラーフは、山羊座のもつ経済観念・用心深さを破壊してしまう力を連想させる。それが彼を起業へと向かわせた原動力でもあろう。しかし、慎重さに欠け、11室ラーフによって獲得した高い評価や顧客の信用、そして信じられないほど大きな富は、ラーフのディスポジターである土星(カルマ)によって失う定めであったということかもしれない。

おりしも土星がトランジットで射手座を通過する今、彼のカルマの引き金が引かれたということだろうか。

しかし10室土星は、苦労のあとの成功をも意味する。こうした経験、そしておそらく今度も続くであろうアップダウンを乗り越えて大きくなる彼の将来は楽しみでもある。